ああ あの日の呼ぶ声が
耳の奥にこびりついて離れない
ああ あの日の光景が
瞼の裏に焼き付いて離れない
ああ あの日の感触が
この手に生々しくよみがえる
ああ あの日の冷たさが
この肌に痛切によみがえる
弟の叫ぶ声 助けを求めて叫ぶ声
荒れ狂っていた用水路 弟を飲み込んだ用水路
突き落としたこの手 親の愛情を欲した手
激しく打ち付けていた雨 全てを隠してくれた雨
願わくばあの声も あの光景も
あの感触も あの冷たさも
記憶のすべてを水底へ沈めてしまいたい
人もモノも記憶も 僕が拒絶するものすべてを
真実は五反田に振る雨の向こう
すべての罪を覆い隠す優しい世界