当職は本当に
弁護士になりたかったのか
本当に出会えたのは
何だったのか
五反田に舞うひとひらの花びら
ビルから目黒川をのぞきこみ
あの日もあんな流れだったと
思いを馳せる
汚物にまみれた検索結果
目の前が真っ暗になる
それでもどうにかして
生きていかなければならない
当職はどこで間違ったのか
マスメディアを操作して
恐怖心を植え付けられなかった
当職は油断していたのだ
開示が無駄に終わったのだ
その事実をつきつけられ
ただただ立ち尽くす日々
狂気がたちこめ窓を閉め
誰も助けてはくれない
父親も九州の同期も
相談すれば笑われる
当職のプライドが許さない
ならば核兵器を保有しよう
核兵器を保有すれば
誰からも笑われることはない
人びとは恐れ、笑顔を失う
当職はこれより過去を切り捨て
新しい世界へ向かっていく
当職だけが最後に微笑むために
優しい世界へ向かっていく